今回のセミナーでは、高次脳機能障害の説明に加えて、当事者・家族の「こころ」に焦点を当てて、上田先生にご講演いただきます。
オンラインセミナーとなりますので会場へご来場いただく必要はなく、インターネット環境があればご都合に合わせて講演動画をご覧いただけます。当事者・家族の方は無料で参加できますが、お申し込みが必要になりますので、期間内(12月10日まで)にお申し込みください。
(以下、上田先生ご作成の配布資料より一部抜粋 「高次脳機能障害当事者と家族の悩み」)
外見からは分らない、「見えない障害」で、また「高次脳機能障害」と聞いても分からない「知られていない障害」なので、誤解や偏見を受けやすい。
元気な時に身につけた行動には「意外にまとも」なところも多いので、かえって、「ふつうでない」ところが目立ち、病気や障害のためだとは理解されにくい。
「なまけている」「ふまじめだ」「人をバカにしている」「うそつきだ」「だらしない」などと誤解されやすい。
医療・介護・福祉・教育・行政の専門家にも知識が不十分なことが往々にしてある(特に「新しい高次脳機能障害」について)ため、対応が不適切になりやすい。
当事者は「あれもこれも出来なくなった」と、喪失感と無力感にさいなまれ、自尊心を傷つけられ、苦しんでいる。
さらに、「誰も(家族でさえ)この悩みを分かってくれない」という絶望感が、その苦しみを一層強くしている。
しかし、実は家族もまた、「昔とはまるで違った人になってしまった」「赤ん坊に戻ってしまった」ような当事者にどう接してよいかわからず、悩んでいる。さらに「本人は何の悩みもなく、勝手なことをしている」というように見えることも多く、家族を一層苦しめている。 一番身近な人たちの間に、このような「心のすれ違い」があるのだ。
本人も家族も困難に直面し、困り、悩んでいる。専門家・地域の人々にぜひ理解を深めてほしい。
講師紹介
上田 敏(うえだ さとし) 氏
(公財)日本障害者リハビリテーション協会 顧問
高次脳機能障害者小金井友の会(いちごえ会)顧問
日本福祉大学客員教授、元東京大学医学部教授
<ご略歴> 1932(昭和7)年生 1956年:東京大学医学部卒 1960年:東京杉並浴風会病院で高齢者のリハビリテーション(リハ)を開始 1963年:東大病院にリハ部を設立 1964年:ニューヨーク大学留学(リハ医学研修) 1965年:東大病院リハ部専属医。助手、講師を経て、 1984-92年:東京大学教授、リハ部長 退官後、帝京大学教授、帝京平成大学教授を歴任
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